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Dell PowerStore Autonomous Operations
Itzikr's Blog 日本語翻訳版
*オリジナルブログは以下URLから参照可能です
https://volumes.blog/2022/04/19/dell-powerstore-autonomous-operations/
約2年前、Dell TechnologiesはPowerStoreを世に出すことによりストレージアレイ業界に旋風を巻き起こした。実際のところ、PowerStoreのアーキテクチャは業界のアナリストから注目を浴び、あるケースではこのような記述がなされた「これはデータストレージハードウェアにおけるここ何年もの間で最も重要な開発であり、PowerStoreはその他のストレージアレイ産業での比較、差異、そして競合としてのベンチマークとなるであろう。」
PowerStoreが「その他のストレージアレイ産業に対するベンチマークになる」と言わしめる一つの特徴は、元々より具備している自律性のあるオペレーションや機械学習機能に関する能力である。実際のところこのゲームチェンジャーになりうる自律性のあるオペレーションとは一体何なのだろうか?近代的なコンテナベースのストレージオペレーシングシステムに基づき、PowerStoreはデータリプレイスメント、ボリューム移行、クラスター拡張のみならず、容量予測や自律的な内部パス設定の最適化などに対しても、自律的にモニターを行いクラスターに対する活動を管理する能力を持っているのである。
Programmable Infrastructure
Programmable infrastructureが意味するところは、外部に対してプログラム可能な能力を提供することである。より簡潔に述べると、PowerStoreは完全にREST API programmableであり、リソース(オブジェクト)のセット、オペレーション、そして双方向性、スクリプト化、PowerStoreクラスターのプログラム的な管理コントロールを提供するという特性を提供する。
REST programmabilityの例:
- アプライアンスやボリュームなどのクラスター構成要素のプロビジョニング
- レプリケーションのディスティネーションとセッション、およびルールの構成
- アプライアンスのフェイルオーバーとフェイルバック
- バックアップのためのスナップショット作成
- ヒストリカル分析に利用するメトリクスの収集
- 監査とトレンド分析に利用する構成情報とログの収集
RESTの人気は上がってきており広い用途に利用できる双方向通信手段であるにも関わらず、シェルスクリプトの利用を好む人々もまだ存在している。このような場合には、PowerStoreはMicrosoftまたはUnix/Linuxホストから利用可能な完全にオープンであるCLIインタフェースも提供している。
また、もしもソフトウェアデベロップメントキット(SDKs)が必要な場合、PowerStroreはPythonとMicrosoft PowerShellからのプログラム実行をサポート。
更にはVMware vRealize Ochestrator、Ansible用の自動化プラグインやPlaybooks、そしてKubernetes、Tanzu、OpenShiftとのコンテナインテグレーションも存在している。
内部の自動化と機械学習
PowerStoreは外部向けのプログラム対応機能提供という側面を持つ一方で、その内部における自動化という側面でも非常に優れている。人工知能や機械学習(AI/ML)を活用した多くの機能をPowerStoreは元々持っているのだ。
クラスター拡張
アプライアンスのPowerStoreへの追加は非常にシンプルなプロセスである。PowerStore Manager GUIを利用して、管理者は将来のいかなるタイミングにおいてもウィザードによるプロセスを利用してインストールされたクラスターに対してアプライアンスを追加することが出来る。このプロセスにおいてはネットワークに存在する未構成のPowerStoreアプライアンスを自動で発見し、ユーザはクイック構成ウィザードを利用してその新しいアプライアンスをクラスターに自動構成で追加する。
ものの数分でユーザは最大4アプライアンスまでのスケールアウトPowerStore環境を手に入れることが出来る。これら全てのアプライアンスは同じPowerStore Managerインスタンスから管理され、ダッシュボードタブから全体を、ハードウェアタブからは個々の情報を見ることが可能である。
自動Data Placement
スケールアウトクラスターを利用している管理者はクイックにボリュームを作成したいと思うかもしれない。2つ以上のアプライアンスを利用している場合には、面倒な意思決定を行った上で、注意深く手動でリソースのバランスを取る必要が出てくることがままあるだろう。PowerStoreではresource balancerとして知られる統合された分析エンジンを利用することによりこの処理をシンプルにしている。
これはPowerStore Managerのボリューム作成ウィザードのスクリーンショットである。典型的な要件として、ボリューム名、作成されるボリュームの数、そして作成されるボリュームのサイズを含んでいる、このボリューム作成プロセスに注目してもらいたい。
この部分でAI/MLエンジンが動作を開始している。ボリューム作成画面において「Placement」オプションがある。今回の例ではドロップダウンからこのクラスターでは2つのアプライアンスが利用可能であることが分かる。管理者はクラスター内の特定のアプライアンスにボリュームを紐づけたいと思うかもしれない(おそらくパフォーマンスがより高いモデルに)、そしてシンプルに対象とするアプライアンスを選択するだろう。「Auto」オプションも選択可能であり、これが選択されるとクラスターの知能に役割を引き継ぎ、2つのアプライアンス間で自律的にボリュームをアサインする。この機能は管理者にとって多大な時間節約となり、ボリューム作成とバランシングのプロセスを迅速に処理することが出来るようになる。
数十や数ダース、もしくは100ものボリュームを迅速に作成したいようなシナリオを思い浮かべてもらいたい。どこにそれらを配置するのがベストなのか?どれくらい早くこの判断を実施出来る?次にPowerStoreがそのプロセスを完全に自動で実施し、迅速に作成されたボリュームを即座にそれぞれのアプライアンスにバランシングも考慮してアサインしてくれることを思い浮かべてもらいたい。これがPowerStoreのパワーなのだ。
Assisted Migration
上記の自動Data Placement機能が初期のボリューム作成に関するものである一方で、PowerStoreはコンスタントにPowerStoreクラスター内の全てのアプライアンスを監視している。例として容量に関するものを説明しよう。あるアプライアンスにおける物理容量が少なくなってきたとする。PowerStoreはリアルタイムのマイグレーション推奨を行うことが出来る。これらの推奨はドライブの摩耗度、アプライアンスの容量、そして正常性などの要素をベースに作成されるが、これらのプロセス自体は自律的に行われる。
上記のスクリーンショットでは、PowerStoreアプライアンスA1が8日後に容量不足になると予測されているのを見ることが出来る。このアラートをクリックすると更なる詳細が表示される。
ここでは「Assigned Migration」と呼ばれる改善のためのオプションを見ることが出来る。Assigned Migrationを選択すると管理者はスペース制限をかけたボリュームを選択することができ、PowerStoreはそれらのボリュームを容量要件やボリューム条件に合ったその他のアプライアンスへとマイグレーションする。管理者はノードの利用状況、プール容量やその他のメトリクスを見る必要はない。
Dynamic Node Affinity
Dynamic Node Affinity - もしくはDNA - はPowerStoreの機械学習/自律機能の中で私が最も気に入っているものの一つである。この機能は2022年1月にリリースされたPowerStore OS 2.1で紹介されたものだ。
PowerStoreの簡単さはよく知られていて、管理者はボリュームをプールやストレージノードにアサインする必要がない。これはボリューム作成時における一つの自律的なプロセスなのだ。PowerStoreはボリュームのバックエンドノードアフィニティを自動でセットするので管理者に大きな負担をかけることがない。この作成プロセスはシンプルだが、我々は時間が経つにつれてワークロードが変わってくることを知っている。アレイ環境において時間と共により多くの負荷がかかるにつれ、当初のバックエンドアフィニティマッピングはパフォーマンスの観点から最適化されたものではなくなってしまうかもしれない。DNAに参加しよう!Dynamic Node Affinityは自律的にバックエンドのアフィニティノードを変更し、PowerStoreが常に最適化されピークパフォーマンスを出せるように保証する。
DNAはリアルタイムでデータを比較して割り当てる、つまりこれは本当のインライン機械学習プロセスなのだ。バックエンドのアフィニティ変更におけるアクションが実行される前に、PowerStoreはIOPS比較、CPU使用状況、ブロックワークロードに関する全体のレイテンシーなど様々な確認と検証を早急に行う。その結果、もしもよりよいパフォーマンスが実現可能と判断すると、そのノードアフィニティは切り替えられる。このプロセスは完全に自律的に行われ、PowerStoreに接続されているどのようなホストに対しても100%透過的である。
結論
PowerStoreを利用すれば、管理者はコンスタントな監視、手動によるバランシング、マイグレーションに関する心配は不要となる。PowerStoreアーキテクチャにおけるインテリジェンスは自律オペレーションと簡素化のためにつくられている。これが意味することは管理上の使いやすさと、全体的なパフォーマンスに対する信頼と、バランスの取れたリソース利用である。
Dellは外部向けにプログラム可能であり、内部向けには統合された機械学習と人工知能により自律的オペレーションが可能なエンタープライズストレージをマーケットに持ち込んだ。PowerStoreは正に次世代的であり、Dell Technologiesの歴史において最も早く成長していることには理由があるのだ。まだまだ期待してほしい!更なるPowerStoreを!
Jodey Hogelandによるゲスト投稿
翻訳者:Uehara Y.