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2022年5月31日 20:00

【Meet The Experts】APEX って何?第六話 APEXに対する現場からの疑問

APEXについてエキスパートにいろいろ聞くこのシリーズも第6話。根気よく質問に回答してくれるAPEXチームのエキスパートの皆さんには本当に感謝!

しかしAPEXエキスパートにばかり話を聞いていてはちょっと片手落ち、ということで今回は毎日現場のお客様対応をしているフィールドサポートチームのエキスパート(SAM:Service Accoumt Manager)から見たAPEXを語ってもらうことにします。

 

Experts:

磯部氏:エンタープライズ顧客とともに歩んで十数年。その真摯でひたむきな姿勢はお客様からの厚い信頼を得ている。彼の作る緻密な報告書は多くの保守担当がお手本にするマスターピース。

中川氏:同じくエンタープライズ顧客保守のエキスパート。どんな難問・難客でも持前の前向き思考で解決してきた。優し気な雰囲気で周りの人を笑顔にするのも得意。

平原氏ViPRに始まりハイブリッドクラウド、そしてAPEXとITソリューションの最先端を走り続けてきたエキスパート。

木村氏:その柔らかな物腰と前向きなスタンスはAPEXの伝道師としてピッタリのはまり役。平原氏とともにAPEXを伝えるために日々奔走。

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責任分界点

磯部氏:まずAPEXというのは「インフラはすべてデル・テクノロジーズにお任せ」ということですが、「実際そんなことが本当に可能なのか」というのがお客様、そして何より僕自身がそう感じる・・・んですよね。今までインフラ管理にお客様が割いてきた時間や人材をどこまでデル・テクノロジーズがカバーできるのかと。

平原氏:現場をずっと見てきた方ならそうですよね、確かに。

わかりやすい例でアップグレードについて挙げると、これはクラウドプロバイダと同じようにインフラ管理の範疇に入るのでAPEX側で受け持つことになります。

その一方、ストレージからのボリュームの切り出しとか、ホストへのマッピングなど、お客様のシステム利用に合わせて対応するようオペレーション部分はお客様の受け持ちになります。

とはいえ、責任分界点についてこのような要素を一つ一つ確認していくのは大変なので、まずは大まかな考え方としてAWSなどのパブリッククラウドを利用している時の、クラウドプロバイダとお客様の責任分界点と同様であると考えてみてください。

磯部氏:ということはクラウドプロバイダがやるようにお客様の知らないところでバージョンアップも行ってしまう?

平原氏:いいえ、その点はあくまで「クラウドライク」な使い勝手ではありつつも、オンプレサービスの良さを残しています。さすがにバージョンアップをスキップすることは出来ませんが、お客様の業務を考慮しながら調整できるので、お客様が知らないうちに・・ということにはなりません。

そうしたお客様との間で調整のためのサービスポータルも用意されていますし、APEXの特徴であるCSM (Customer Success Manager) といった存在を通じて、現状SAMの皆さんが行っているようにお客様との調整も可能になっています。

 

 

オンサイトに機器がある強み

平原氏:「オンサイトに機器を設置する」ことでクラウドサービスのように「お客様があずかり知らぬこと」が無い、つまりアップグレードだけでなく、例えばDisk故障時においても機器がその場にある、ということは何等かの形でお客様にもコントロールの余地がある、これもAPEXならではのメリットだと思います。

もちろん機器搬入や故障部品の対応などで今までと同じようにお客様サイトへの入館申請、といった雑事があることも確かですが、少なくともお客様が「全く知らないうちに何かが変わる」ということはないということです。

 

中川氏:機器が目の前にあればDiskが壊れているのをお客様は見つけることが可能ですもんね。そうすると、壊れたDiskのデータはどうなるの?という話にもなるけれど。

 

木村氏:その辺に関しては追加サービスとして対応する方法を検討中です。したがってお客様が今までのように故障Diskをどうするか、という点においてもある程度コントロールを持つことも出来るようになる可能性は十分にあります。

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サービスの提供

中川氏:インフラ管理をAPEX側(デル・テクノロジーズ側)で実施ということであれば監視体制もそこには含まれているのですよね。

木村氏:お客様の求める「サービスを100%提供する」という意味であればYesになります。しかしここで押さえておきたい点として、パブリッククラウドに慣れたお客様がAPEXに期待するのはダウンタイムフリーのサービスであって、アラートフリーのハードウェアではないんですね。アップタイムサービス99.99%の稼働を保証しているのはそのためですし、万が一その条件が満たせなかった場合はサービスクレジットとして返金するシステムになっています。

つまりAPEXがお客様へ担保するのはアップタイムであり、ハードウェアではないのです。繰り返しになりますが、そのアップタイムを提供するための監視体制という意味であればAPEXに含まれていると考えて頂いて結構です。

 

平原氏:そのためにAPEXサポートチームの特徴として、障害対応のエンジニアだけではなく、ソフトウェア開発のプロもチーム内には存在しています。

SRE - Site Reliability Engineer (レベル3相当 注:Meet-The-Experts-APEX-って何-第三話-カスタマーサポート参照)といった登場人物が、アラートそのものの監視だけではなく、継続的な改善サイクルを通して新しい自動化の仕組みを開発したりなど、お客様のサービスを守るためによりよい監視体制を構築していく、という役割も担っていたりします。

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従量課金制との違い

磯部氏:APEXが「アズ・ア・サービス」として容量を使いたいだけ使える、ということはわかるけれど、そうなると今までの従量課金制とどう違うのですか。

木村氏:これまでの従量課金というのは、ある程度の長期予測をもとに、事前に大きな箱を用意する必要がありました。XX年後には〇〇PBまでデータが膨れるから今は使わないけれど、XX年後に〇〇PBまで容量追加できる箱だけは今から必要だよね。といった感じで。

APEXでは最初に大きな箱を用意する必要はなく、使う分だけ追加をすればいい、今までやらなければならなかったようなサイジングをお客様がする必要がないということになります(大きな箱の部分はデル・テクノロジーズの管轄なので)。

中川氏:確かに今までの従量課金では110TBだけほしいけどハードウェアの関係上150TB分が入る箱を準備しないといけない、ということがあったけれどAPEXではそれはないということですね。

平原氏:その通りです。従来の従量課金でも、事前にどれくらい「大きな箱」を用意するかはお客様との合意によるのでお客様も当社とリスクを分かち合う部分がありましたが、APEXならそうしたリスクから一切解放されます。

また契約期間が1年からなので、お客様が長期の契約に縛られるリスクからも解放されます。特に最近はニーズが見通せないプロジェクトも多いですから、先行きの見えないシステムを抱えることに不安があるお客様にとって、APEXはかなり使い勝手の良いサービスになるかと思います。

木村氏:加えて、ハードウェアがデル・テクノロジーズの資産であるがゆえ、テックリフレッシュなどのイベントもお客様が心配する必要はありません。すべてAPEXで対応し、お客様のシステムアップタイムに影響しないようハードウェア交換を実施、継続的に新しいテクノロジーのメリットを享受できます。

 

お客様の自由度と選択肢

磯部氏:なるほど、APEXというのはあくまで「使うだけ」というコンセプトなんですね。

であれば、操作の点でのお客様の自由度はどこまであるんですか?例えばVM環境ではAdmin権限がもらえるのか、それともユーザー権限止まりなのか。

平原氏:APEX Cloud Services with VMware Cloudの例を挙げると、vCenterはお客様に引き渡すけど、インフラの安定稼働に影響を与えかねないハイパーバイザに近い設定変更は許可されていないなど、完全なAdmin権限の付与はしていません。また、オンプレに設置するハードウェアもあくまでデル・テクノロジーズ資産という扱いなので、ラックのカギをお客様に渡すこともしません。このことからも特にハードウェアレイヤーに関してのお客様の介入度は低い、と考えてもらえればいいと思います。

磯部氏:そうなるといろいろ考えるお客様もいますよね。電源のオンオフをどうするのか、とかネットワーク変更するときどうするのか、とか。

平原氏:確かにそうですね。その点はオンプレに機器があるがゆえにお客様とのコミュニケーションが必要となります。そういった事柄も含め、APEXはCSMがお客様の環境とデル・テクノロジーズをつなげる役割を担うのでスムーズな対応ができると思っています。

ただ、もっとVMを自分たちのルールでいじりたい!というお客様であれば、APEXをお勧めするよりもこれまでの買い切り型での提案が有効でしょうし、運用はこちらでやりたいけどAPEXの柔軟な支払いが魅力というのであれば、構成や運用をお客様のやり方に合わせることができるAPEX Flex on Demandもあるので、そこはお客様のニーズを汲み取りながらデル・テクノロジーズが持つ幅広い選択肢から提案することも大事だと思います。

100%のワークロードがTシャツライクなAPEX Cloud Servicesに合うとは私も思っていませんから。

 

木村氏:APEXはデル・テクノロジーズが今までお客様に提供してきたサービスに加えられた新しいサービスの一つなんです。今までと違うのは「使うだけ」つまりアウトカムベースであるということ。その点で、ハードウェアの面倒は見たくない、構成変更に時間をかけたくない、テックリフレッシュも面倒だ、そしてそれらの実施のために必要な稟議はこりごりだ、といった気持ちを持つお客様に訴えるものはあるようです。

 

磯部氏:どこまでインフラに求めるか、で選択するものが変わってきますね。

 

平原氏:仮想化環境で厳格なアフィニティルールを使って、インフラに直結するような制御が求められるアプリケーションを使いたい人にとっては、従来の調達と構築での方法がベストでしょう。

APEXは、今後増えるであろうコンテナベースの新しいワークロード、インフラと疎結合なアーキテクチャで、複数の環境間での移動性が高いシステムとの相性が良いと思っています。そういう点も見極めて僕らはお客様へのサービス提供をしていかないといけないと思っています。あとは、センサーデータの収集みたいに将来何ペタバイト貯まるか分からないけど、確実に大容量保管のニーズがあるケースなんかはAPEX Data Storage ServicesのFileサービスはピッタリです。






がちがちのエンタープライズアカウントを長年見てきたSAMのお二人もAPEXの柔軟性は認めたようだけれど、自分のお客様にAPEXを勧めるのかな・・・Ayasは話したりなさそうな顔をしている二人を見て思ったのでした。

 

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