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2022年9月2日 00:00

ScaleIO : OpenStackのブロックストレージ最適解!

*このブログは旧EMC日本語コミュニティからの転記になります。

*投稿当時(2015年)と転記時では情報が異なる場合があります。(2022年転記)

 

オリジナル投稿者 MihoNaozumi  投稿: 日本語コミュニティ on Nov 16, 2015 10:39:00 AM 

先日開催された、OpenStack Summit TokyoにてRandy Bias(EMC Vice PresidentでOpenStackのBoardメンバー)が、CephとScaleIOのストレージ性能比較デモを行ない、ScaleIO優れたIO性能を紹介しました。

 日本語通訳なしの英語セッションでしたので、ここでポイントを解説します。

Randy_b.jpg

動画はこちら 

EMC- Battle of the Titans: Real-time Demonstration of Ceph vs. ScaleIO Performance for Block Storage - YouTube

 

1.アーキテクチャ

 

多目的か、専用か?

 

多目的ツールは様々な用途に使え便利ですが、用途が決まっている場合には専用ツールが有利です。

ネジを回すにはドライバーを使うのが一般的なように。

 
:

Ceph-testing-13-RLB-edits.jpg

Cephは多目的ストレージ、ScaleIOは専用ストレージに例えています。

ScaleIOはブロック専用ストレージなので、Tier1のシステム等の性能(IOPS)を重視する用途に有利となります。

CephはOpenStackにおいて実績もあり、多目的ストレージの選択肢となります。

 

ファイルストレージは汎用的、オブジェクトはアーカイブや大容量といった特性を考えると、大規模なOpenStack環境ではワークロードに合わせた専用ストレージを使い分けるという考え方です。

Tier123_Storage.jpg
 

Cephとは

 

OpenStackのブロックストレージにおいてNo1のシェアとなっているオープンソースのCeph。

分散型のオブジェクト・ストアをベースに、ブロック/ファイル/オブジェクトのインターフェースを持つ多目的(マルチプロトコル)ストレージです。

 

RADOS(reliable autonomic distributed object store)という分散オブジェクトストアのコアコンポーネント上に、各プロトコル(Block,File,Object)用のモジュールを組合わせた構造です。

今回はブロックストレージの比較なので、RBD(RADOS Block Device)を用いています。

Ceph_RADOS.jpg
 

ScaleIOとは

 

ScaleIOはEMCのブロック専用ストレージで、スケールアウト型のソフトウェア・デファインド・ストレージです。

Cephと同じく分散型のソフトウェアストレージですがScaleIOはブロック専用です。

 

Cinderをサポートし、コモディディ・ハードウェアでスケールアウトしますので、OpenStack環境との親和性も高いです。

 

クライアント・コンポーネントのSDC(ScaleIO Data Client)とサーバ・コンポーネントのSDS(ScaleIO Data Server)によるシンプルな構成です。

サーバのローカルストレージはRAWデバイス・マウントのため、Filesystemレイヤが不要となっています。

ScaleIO_Architecture.jpg

アーキテクチャの違い

 

下図はデータ書込み時のフローです。(左がCeph、右がScaleIO)

Cephに存在する赤いブロックは、シンプルなブロックストレージのScaleIOにはありません。

 

  • ブロックデータをオブジェクトデータにマッピング
  • LinuxのFilesystemレイヤへの書込み

 

このアーキテクチャの違いが性能の差として現れることになります。

Ceph_SIO_architect.jpg

 

2. デモ構成

 

Apples to Apples の同じ条件で比較するため、サーバとクライアントの構成と台数を同じにしています。

デモ環境はAWS上に構築しています。

 

クライアント:

 

  • 同一クライアントからCephとScaleIOのストレージをマウント
  • 5台のインスタンスにCeph(RBD)とScaleIO(SDC)の両方をインストール
  • インスタンスタイプはAWS c4 large(Compute Optimized)
  • ベンチマークはfioを使用

 

サーバ:

 

  • サーバはCephとScaleIOでそれぞれ5台のインスタンスを使用
  • インスタンスには2つのEBS(Elastic Block Store)デバイスをマウント
  • インスタンスタイプはAWS m4 large(General Purpose)
  • EBSは3000IOPSのバースト性能

Test_Config-Ceph_SIO.jpg

テスト条件:

  • 4KB、ランダム、Read/Write比50%、32キュー

 サーバ側の構成を変えて3パターンで比較しています。

  • バトル1 5台のサーバ、2デバイス/サーバ (下図はバトル1)
  • バトル2 上記から4デバイス/サーバにスケールアップ
  • バトル3 上記から10台のサーバにスケールアウト

 Condition-Ceph_SIO.jpg

3. テスト結果

 

バトル1(5サーバ、2デバイス)の結果は、ScaleIOCeph約3倍の20000IOPSとなっています。

但し、これは Max Backend(EBS性能)の制限値30000IOPS(3000IOPS * 10 = 30000)に到達しているため、ScaleIOの限界ではありません。

表中の ScaleIO SDS Backend の30000IOPSとは、ScaleIO書込みの2面ミラーで20000IOPSが書込み、読込の10000IOPSと合わせた30000IOPSでEBSを100%使い切っていることが分かります。

 

バトル2、3では、ScaleIOは40000IOPSから80000IOPSと、ほぼリニアに性能向上しています。

Cephとの性能差はさらに広がって5.6倍、6.6倍となっています。

但し、ここでもEBSを使い切っているため、ScaleIOはまだ余力があることを意味しています。

 

OpenStack環境で数十、数百ノードへの拡張を想定すると、このスケールアウト性は強力な武器となります。

Result-Ceph_SIO_b.jpg

4. まとめ

 

EMCはポートフォリオの会社です。 ワークロードに合わせてストレージを選択するという戦略を取っています。

プロダクトの優劣ではなく特性を理解し、使い分けることが重要です。

 

OpenStack環境で、Tier1アプリや大規模な環境で性能(IOPS)を重視するならScaleIOです!

(ScaleIOはLinuxだけでなく、WindowsやESXiもサポートするためOpenStack以外の用途も広がりますが、今回は省略)

 

また、ScaleIOは自由に試すことができます

「Free and Friction less」という表現をしていますが、無料でしかもアカウント登録やメールアドレス不要で利用可能です。

 

ダウンロードはこちら

https://www.emc.com/products-solutions/trial-software-download/scaleio.htm 

*(2022年9月時点では無効)

 

ScaleIOをぜひお試しください!

 

 

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